浅ましい私と眩しいあなた
空っぽの体を
愛されてるかもしれないって幻想で
満たしていく。
会えたら満足してしまった。
あんなにイラついて怒っていたのに
彼に抱きしめられたら満足できた。
好きだよと甘い言葉を何度もかけて
優しく優しく抱かれさえすれば
わたしは簡単に落ちてしまう。
恥ずかしいくらい何もないの私。
つまらない女だから、あなたを見るとクラクラする。
頑張ってきた経歴が今のあなたを作り上げてるんだもんね。
私は諦めることがうまくて、中途半端。愛され方は学んでた。だから、男の人に愛されてた。それで満たされることも覚えてしまった。
好きだよって全身であなたに伝える。
それしかできないつまらない女は、あなたにはいらないんでしょ。そんなことわかってた。
私は誰かを深く愛さずにきっと死ぬんだと思う。
私を愛してくれた人を手放せずに、
誰も愛せずにずっとゆらゆら彷徨ってる。
欲しかったものを持ってる人を好きになる。
それは私の憧れだから。きっと、人として好きとかじゃない。その、状況が、ステータスが、何もかもが、羨ましくてたまらないの。
映画を流す感覚で、あなたの人生の話を聞くよ。好きな映画は手元に置いて何度も再生していたいのよ。
自分のことを愛してないから、
誰かを愛することで、その人が自分を好きになってくれたら、嬉しい。
遠回しに、自分を愛してるの。
そんな間接的な道具に使ってごめんなさい。
きっとバレてるよね、あなたは賢いから。
私の浅ましさも、空っぽさも、
すべてすべて見透かされてたんだろうね。
そんなバカな私をバカだなあって抱いてくれるのも、嬉しいよ。満たされてるよ。
嘘だったとしても、気づかないふりしてたいよ。
馬鹿だなあ、って笑えばいい。
私は誰かに抱かれてないと自分を確かめられない弱い生き物なんだよ。