眠れないしつまらないし

ぐっすり眠りたい。

 

きちんと、夜に。

 

彼からの連絡があった。

深夜。

 

もうとっくに電車は止まってて、

酔いも回って、

隣の男に勝手に腕を組みたくなる時間に。

 

「今なにしてるの」の一言。

 

返信しても既読はつかない。なぜなら彼も飲んでるから。

イライラしながら、飲んでるの、とだけ送る。

返事は返ってこず時間が経過。

どうせ女の子といるんだろう、と思ってしまう。

薄暗い個室で、何人かで、馬鹿みたいに騒いでるんでしょ。

甘ったるい酒を飲んだ女に、甘ったるい声で、迫られて、頭を撫でているんでしょ。

あなたはそれを拒まない。拒んでるところなんて見たことない。

 

いつも馬鹿にしてるくせに結局、

そういう女に流される。

 

一通の着信、

飲んでるけど来る?

久しぶりに聞く彼の声に泣きそうになった。

こんなことで泣きそうになる自分。

相変わらずこの人の声は低くて優しい。どんなに酔っ払ってても。

電話してる傍で知らない女が手を握ってても。

 

彼の声の後ろから聞こえる、

女の声に嫌気がさす。

 

高い声がしてますわ。

ねぇ、その女の子はかわいい?気に入った?

 

ヤレそう?

 

あなたはすごくモテるもんね。

 

口の中いっぱいに苦いものが広がるような、

喉に急に何かが詰まったような

そんな苦痛。

こんな思いをさせないで欲しい。

 

私に好きだというんだったら。

 

 

もう責めたくもない。

次会うときに言ってしまいそうだけど、

もう思い出すのも嫌だ。

責めないことで勝手に辛くなって欲しい。

 

呆れる。何もかもに。

彼にも呆れるしいちいち傷つく自分にも呆れる。

なんかもう疲れる。

疲れたくないから1人に選びたかったのに。

なんの意味もない選択だった。

 

ほんとに馬鹿馬鹿しくて嫌になる。